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三重県伊賀市 本尊五大明王の祈願寺 
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7月10日 早朝、あまりにも突然にその訃報は届いた。

若い頃、東京で勤めさせて頂いたお寺のご住職の急逝。享年64歳。

朝、日課である境内清掃を済ませ、家族と一言二言会話を交わした後、少し具合が悪いと横になったそのまま遷化された。大好きだったお酒も近頃はめっきり減り、健康的な体調管理をされていただけに、にわかに信じることは難しかった。

訃報を受けて、当日の仕事を手配して、慌てて東京に向かった。
お寺に着いたのは、夕刻。通夜葬儀の支度が進んでいたが、枕経には間に合った。お世話になった弟子の一人として、ご子息、令夫人と交代で、線香番を勤めさせて頂いた。


まるで昼寝をしているような安らかなお顔。ご住職の尊顔に一人向かうと、溢れるように言葉が湧いてきた。

縁もゆかりも無い私を、まるで息子のように可愛がってくださった。
在職中はもちろん、退職して長谷寺に勤めた後も、結婚して家庭を持ってからも、東京に行く時には時折連絡を入れて、食事をご馳走になったり、お寺に泊めて頂いたりと、厚かましいことこの上ない元部下をいつも温かな笑顔で迎えてくださった。

上司と部下を越えた、親子のような師弟関係。一緒に過ごした多くの時間が思い出される。そこには、ただただ感謝の思いしか湧いてこなかった。


通夜と密葬儀は、承仕として法要の裏方を勤めさせて頂いた。悲しくて、大声を出して泣きたくなる時もあったけど、自分以上に、令夫人やご家族、住職のお友達の皆さんの悲しみを思うと、私一人感情のまま涙を流す訳にはいかなかった。

火葬場でご遺体が荼毘にふされている間、東京では軽い酒肴をもってその時間を過ごすのが一般的。
「故人にも酒を注いでやろう」という声が上臈から聞こえたので、気を効かせてグラスを持参すると、「そうだ、中山くんが注いであげなさい。それが、故人が一番喜ぶよ」とビール瓶を渡された。

住職の幼い頃からの友人・先輩、大勢深い関係の方々がおられるなか、物言わぬ遺影に注ぐ冷えたビール。

これまで、幾度この方にお酌をしてきたか。もう、この方の笑顔を見ることは出来ない。二度と、こうしてお酌をすることも出来ないのか…。そう思うと、無性に感情が高まって、涙を堪え切れなくなった。周囲の皆さまに会釈して、廊下に飛び出して、一人嗚咽を漏らした。

(続く)

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プロフィール
HN:
和光さん
性別:
男性
職業:
副住職
趣味:
読書、息子と遊ぶこと
自己紹介:

真言宗豊山派のお坊さん

大和国は豊山長谷寺の門前町に生を受け、仏縁あって僧侶に。
伊賀国は江寄山常福寺の副住職になりました。

現在檀務と共に、ご詠歌、声明ライブ、豊山仏青、歩き遍路など、色々活動しております。
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