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三重県伊賀市 本尊五大明王の祈願寺 
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今秋、真言密教における最重要の儀式 『大伝法院流 伝法灌頂』に臨みました。

伝法灌頂(でんぼう かんじょう)とは、新しく仏門に入った弟子に、さまざまな戒律や陀羅尼(だらに)を授けて、諸仏や曼荼羅と縁を結ばせる法要のこと。

こと真言密教においては、同時に 師から弟子へと相承されてきた法流を授かる、重要かつ必修不可欠な儀式になります。
私も、仏門を志した10代の頃、受者(弟子)として入壇していますが、今回は立場が逆。20数年の歳月を経て、今度は阿闍梨(あじゃり:師)として 若き新弟子に戒を授け、新たな仏縁を 次の世代に繋ぐ立場になりました。

さて、新弟子を迎えるに当たり、伝燈大阿闍梨として、数十人の僧侶が出仕する幾つかの法要の導師を勤めねばなりません。
個人的には、昨年より宗派の講習会、また本年は灌頂道場の習礼に参加して、こつこつと準備を進めてきました。


(灌頂道場の習礼 教授さまの机)

次第を揃え、資料を集め、注釈・手入れ、読み込み、錬行、金胎唱禮の練習、金胎行法の厳修などなど…。

本腰を入れて動き出したのは、お盆を終えた9月に入ってから。
まだ見ぬ新弟子に思いを馳せつつ、どこか受験生のような緊張した心地で、カレンダーとにらめっこしては準備を進める毎日。

(灌頂三巻式と、解説書の類)

10月に入ると、可能な限り本堂に籠り、金剛界・胎蔵界 の供養法を日替わりでお勤めしていました。仏と向き合い、ただ一心にお勤めする時間は、とても清々しく満ち足りたもの。

人生一度きりの大法会に悔いが残らないよう、支度に励みました。

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季節外れの大型台風11号が、三重県に猛威を振ったのは8月9日10日。
ちょうどお施餓鬼の最中で、お寺には問い合わせの電話が多数。

「明日、お施餓鬼はあるんですか?」
「台風でも延期とかしないんですか?」

でも、寺行事を簡単に中止、延期にする訳にはいきません。

「無理そうならご欠席ください。こちらでお勤めしておきます」
「お参りになる場合は、くれぐれも注意してお越しください」

とアナウンスを欠かさず、様子を見ながら実施することに決まりました。

9日は、朝から降り続く強い雨。
兼務寺の施餓鬼を終えたら、近くの木津川が氾濫して、お寺の周辺が通行止めになったと報告が…。


(キタモリ交通さまよりシェア。国道422号と木津川)

あわや、出先で締め出しを食らうところ。幸いすぐに水は引き、事なきを得ましたが明日の心配が増すばかり。

10日は、常福寺のお施餓鬼。
期待に反して、夜が明けても台風は四国にのろのろと留まり続けています。

このままでは、直撃コース。昨日のように、河川が氾濫して通行止めになったらどうなるのか? 不安交じりに施餓鬼が始まります。

遠方のお檀家さんは多く欠席されましたが、近在の皆さま、特に初施餓鬼の施主家族は、悪天候にも係らず多数お参りくださいました。
足元までずぶ濡れになってお参りされる檀信徒の皆さま。なんだか気の毒で、申し訳ない気持ちになりました。

私たちに出来ることは、いつも通り心を込めて精一杯お勤めすること。昨年に続き、途中にはうちの息子も一緒に拝んでくれました。


(午後には、雨風が穏やかになりました)

その後、台風11号は足を速め、午後には本州を通過。
心配していた通り強風大雨でしたが、伊賀より松坂や鈴鹿の方が大変だったようです。こちらは、被害も怪我人もなく無事にお勤めすることができました。

こんな時期に台風なんて、とっても珍しい。
勤続50年近い住職も「こんなことは初めて」と苦笑いされてました。

お蔭さまで、41歳の誕生日を迎えました。

数えの42歳は、男子の大厄。42 =「死に」と読めるので不吉 と昔から聞きますが、出典はかなりあいまいなようです。

しかし、我が国では平安時代より脈々と信じ、受け継がれてきた慣習に違いありません。

42歳は、いわゆる人生の曲がり角。
心身が老い始め、社会的にも様々な役割を担ってゆく年齢です。

この節目に、心を整え、身を慎んで、諸事に取り組みたいものです。


さて常福寺では、毎年2月1日の夜に、厄除祈願(星供)をお勤め。地元のご老人たちの長寿お祝いと一緒に、厄年に当たる皆さまの厄祓いをしています。

今回私は、厄除けして頂く立場でしたが、普段通り法要に出仕。
菩提寺の副住職として、錫杖を鳴らして、太鼓を叩いて、心を込めて皆さまの厄除祈願をお勤めしました。



ところで、人伝に聞いたのですが、お坊さんのジンクスに「自分の厄は自分で払えない」というのがあるそうです。だから、どこか他の社寺にお参りしてしっかり厄祓いして貰いなさいという趣旨だとか。

それは結構なことですね。理由を聞くと確かに一理あります。

では、私が今回お勤めしたことは無効なのか?というと、決してそうではないと思っています。

この法要には、私一人でなく、大壇には住職が、そして参列いただいた在所の皆さまも一緒に、大きな声で 在家勤行法則、般若心経、観音経などをお唱えくださいました。

私は 心を込めて他の皆さまの分を、皆さまは 厄年に当たる全員(私も含まれる)のお祓いをそれぞれにお勤めくださったのだと解釈しています。

そう考えると、こんなに有り難い厄除けはありませんね。
厄落としも済ませました。皆さまの功徳を分けて頂いて、この一年無事に過ごせることを願っています。

18日は、常福寺にて大般若のお勤め
『大般若波羅蜜多経』という600巻の経典を、大きな声で転読(てんどく)いたしました。


伊賀では、正月の風物詩といえるこの行事。私は、組寺併せて7地区の法要に出仕しています。
空気が乾燥し、風邪やインフルエンザが流行るこの季節。例年 喉を痛めてしまいがちですが、今年は順調にお勤めできました。

さて今回は、経典のお話。
当寺の大般若経600巻は、50巻ずつ、合計12箱に納められています。一箱の重さは、約18kgと なかなかの重さです。



箱の裏書きを読むと、この一代前の箱が、寛政元年(1789) 慶應法印の代に作られています。

天正伊賀の乱によって、本尊のみを残し悉く灰燼と化した常福寺。「新調」とありますが、いまの経典が製本されたのは、225年よりもう少し昔ではないかと推測されます。



続けて裏書きには、再調に当りご寄附いただいた5つの邑の名前が。

説明しますと、この大般若経典は、お勤めに当って 5つの邑に毎回持ち運ばれ、それぞれの場所でお勤めされています。

200年以上昔とあっては、主な運搬手段は、荷車やリアカー、主に人力で運んだのでしょう。内箱には、縄で強く結んだような跡が残っています。

(本堂より運び出される、大般若経典)

当番や厄年の方々がお寺まで経典をいただきに来て、各地区(邑)まで運び、お勤めが終わると、また次の地区にお届けする。

今日でこそ、自動車があり運搬も楽になりましたが、そんなバトンリレーのような作業が、世代を超え 今日まで200年以上ずっと続いているのです。


ただでさえ有り難い大般若のお勤めが、もっと有り難くなるようなお話。

ただ、私の筆力不足で少し解りにくい文章になってしまいました。
もう少し内容を整理して、来年のお勤めの際に、参列された皆さまにも聞いて頂こうと思います。


新年、明けましておめでとうございます。

2014年の正月は、雪も風もなく穏やかに迎えられました。
除夜の鐘を撞きに参られた方々に、笹酒や湯茶のご接待。パチパチと火の子を上げる篝火の傍で、檀信徒の皆さまと談笑する。

穏やかな時間が、ゆっくりと流れていきました。


さて常福寺では、今年も元旦から多くの皆さまにご参拝いただきました。

寺総代や地区の役員さま方を始め、毎年お参りくださるお檀家さま、篤信のご家族、近郊にお住まいの皆さま。また遠路、本尊五大明王のご開帳に合わせてお参りくださった方々など、大勢の方と新年のご挨拶をいたしました。


3日の初祈祷には、若い5名のお坊さんにご助法いただきました。
総本山長谷寺で厳しい修行を積んだ面々を中心に、新年らしく華があり、皆さまに元気と活力をお分けするような法要を修めることができました。



当日は、ありがたいことに暖かな小春日和。
法要後は、地元業者 株式会社キタモリさま、メモリアルホール紫蘭(しらん)さま、伊賀上野で人気のパン屋 liaison(リエゾン)さまのご協力により、うどん・けんちん汁の振る舞い、笹酒や甘酒の振る舞い、子供さん用にわた菓子やパンダの着ぐるみ、パンやラスク(お土産)の販売などなど、ご接待いただきました。


さらに今年は新しい試み、近在の獅子舞講である「里(さと)獅子神楽保存会」の皆さまにお願いして、境内で獅子舞いの奉納をして頂きました。




法要後、皆さまが穏やかに談笑される傍ら、獅子や天狗が舞い、軽妙なお囃子が聞こえてくる。そこには、誠に正月らしい縁起のよい空間が広がっていました。

さて ありがたいことに、例年お申込みや参詣者の数が微増しており、そろそろ護摩の座を増やすか、それとも常時焚き続けるかと、今後の形を思案せねばなりません。

小さなお寺ですので、受け入れやスタッフの確保にも限界があります。各地のお寺のありようを研究しながら、ご参詣お申込みの皆さまにとってより良い姿を求めていきたいと考えています。

ご協力いただきました全ての方々に心から御礼申し上げると共に、このブログをお読みくださった皆さまのご健康とご多幸をご祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。


以下のホームページでも、初祈祷の様子がご覧いただます。

 ・情報誌YOU   ・株式会社キタモリ 

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プロフィール
HN:
和光さん
性別:
男性
職業:
副住職
趣味:
読書、息子と遊ぶこと
自己紹介:

真言宗豊山派のお坊さん

大和国は豊山長谷寺の門前町に生を受け、仏縁あって僧侶に。
伊賀国は江寄山常福寺の副住職になりました。

現在檀務と共に、ご詠歌、声明ライブ、豊山仏青、歩き遍路など、色々活動しております。
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