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三重県伊賀市 本尊五大明王の祈願寺 
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謹賀新年。皆さま、本年も宜しくお願い申し上げます。

今年の干支は、壬辰(みずのえたつ) 辰とは、皆さまよくご存知の龍のことです。今年届いた年賀状にも、さまざまな姿の龍が描かれていたことでしょう。

この龍、日本を始めアジア各国では神獣、または神そのものとして扱われる神秘的な存在です。

龍は水中や地中に棲むとされ、嵐や雷雲を呼び、竜巻を纏(まと)って大いに飛翔するという伝説があります。台風や河川の氾濫など、時に猛々しく暴威を振るうことがありますが、基本的に温厚で、天候を左右させる力を持つ善性の存在といえるでしょう。

一説には、古来中国では唯一皇帝のみが五爪の龍の模様を使えたと聞きます。龍が持つ強大な力を皇帝の権力に準(なぞら)えたのでしょうが、なぜ十二支の中に一匹だけ空想の存在である龍が含まれているのか。残念ながら確かなことは不明です。

e486d1d6.jpg仏教においては、インドの水神ナーガ(Naga)を起源とする「竜王」が有名です。
釈尊降誕の際、空から現れ甘露の法雨を降らせたり、悟りを求め結跏趺坐(けっかふざ)する釈尊を守護したり。他にも法華経の会座に列した八大竜王など、龍は仏法の守護神として登場します。


しかし、所変われば品変わる。同じ龍でもこと西洋では全く逆の存在になります。

ef737453.jpg子供向けのゲームによく登場するドラゴン(Dragon) キリスト教的な解釈によると、ドラゴンは、天使と対を為す悪魔、人に害を及ぼし征服されるべき悪竜を指す言葉として黙示録に登場します。

龍とドラゴン。どちらも角や鱗、高い知性と強大な体躯、天候を左右させる神通力を持つなど多くの共通項がありながら、西洋と東洋でその解釈は全く逆転してしまいます。これは、来年の干支である巳(蛇)にも同じことが言えるのですが。


私たちが暮らすこの世界は、あまたの人々が生き、その人の数だけ「常識」や「普通」が存在します。これは、どちらが正しい間違っているという問題ではありません。

異なる文化に対して、自分たちと違うからといって頭ごなしに否定せず、理解して共存する道を探す。弘法大師は「曼荼羅(まんだら)思想」としてその大切さを説いています。

写真1: 仏陀を守護する竜王(ラオス)

写真2: ヨハネ黙示録のドラゴン

※ 依那古仏教団の教化誌『法縁』 第87号に寄稿したものを転載しました。
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プロフィール
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和光さん
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職業:
副住職
趣味:
読書、息子と遊ぶこと
自己紹介:

真言宗豊山派のお坊さん

大和国は豊山長谷寺の門前町に生を受け、仏縁あって僧侶に。
伊賀国は江寄山常福寺の副住職になりました。

現在檀務と共に、ご詠歌、声明ライブ、豊山仏青、歩き遍路など、色々活動しております。
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