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三重県伊賀市 本尊五大明王の祈願寺 
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5月8日は、常福寺の花まつり。

花まつりとは、お釈迦さまのご誕生を祝う法要のことです。
お釈迦さまが誕生されたルンビニーの花園のように、色とりどりの花々を荘厳することがその名の由来。常福寺では、毎年旧暦でお勤めしています。



今年も、午前中は地元保育所の園児たち、午後は観音講の皆さま、夕方から息子の友人たちと、多くの方々にお参り頂きました。

皆さまに甘茶をご接待して、釈尊生誕の逸話を簡単にご紹介。特に幼い子供たちには、解りやすく噛み砕いて話す必要があります。


(観音講の皆さまと息子の友人たち)

さて、お参りの皆さんが帰路につかれて一息ついた頃、
息子から「どうして雨が甘いのかな?」と真面目な質問を受けました。

意味が分からない方に説明しますと、
花まつりは「誕生仏」と呼ばれる赤子の仏像に甘茶を灌いで供養する法要です。お釈迦さまが誕生された時に、天から龍が現れ、甘露を降らせてその誕生を祝福したことが由来になっています。


これは、親子の大切な語らい!と正面に向かい
「逆に、どうしてだと思う?」と質問を返してみました。

「うーん…、なんか神聖な感じ?」と案外 的を得た答え。

子供の着眼点って、凄いですね。
私は気にしたことがありませんでしたが、この機会に改めて考察してみました。


甘露(かんろ)とは、慈雨、恵みの雨のこと。

仏教的には、古代インドで不死の霊薬とされたamrta(アムリタ)が、中国陰陽思想のそれと同一視されたようです。「甘露甘露」と、飲み物が美味である際に用いられることもあります。

「さて、これでは答えにならないぞ…」と推測すること一時。
以下は、浅学な私なりの回答です。


人間にとって、大切な栄養源である穀物や野菜。
それらが育つには、太陽の日差しと、多量の水、そして大地(土)が必要です。
(発芽には、酸素や温度が必要なのですが、今回それは横に置いておきます)

穀物や野菜は、太陽の光を受けて“ 光合成 ”を行います。
二酸化炭素を吸って酸素を出すという有名な働き、学校で習いましたね。

“ 光合成 ”によって“ でん粉 ”が造られ、それが夜の間に分解されて“ ショ糖 ”になる。その“ ショ糖 ”が種・実・根・茎に蓄えられたり全体に行き渡ることによって甘く美味しい作物ができるようです。

現在は科学が進み、穀物や野菜が甘く育つプロセスが解明されましたが、古の時代はどうだったでしょう?

もちろん、当時の人々はそのからくりを知らず、丹精込めれば美味しい(甘い)穀物や野菜が育つと解釈していたのではないでしょうか?

例えば、日照りが続けば、太陽光と大地があっても植物は育ちませんよね。
穀物や野菜を育てるには、必ず一定の水分(雨)が必要になってくる。

分解して考えると、太陽光=甘くない、大地=甘くない、では恵みの雨こそが作物を甘くしてくれる滋養なのだ!とそう信じたのかも…。

ちょっと乱暴な解釈かもしれません(汗)


以上、私なりの考えを息子に伝えると「ふーん、なるほどね!」と納得してくれた様子。
学校の作文にも、父子のやりとりを書いたようでした。

通年の寺行事でも、子供の視点になるとまた異なったものが見えてきます。
息子がくれた鋭い質問。仏教の当り前を見つめ直す、よい機会となりました。


注意:こちらは、浅学非才な拙僧の一考察です。
   正しい回答をご存じの方がおられれば、是非ご教授くだされば幸いです。

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プロフィール
HN:
和光さん
性別:
男性
職業:
副住職
趣味:
読書、息子と遊ぶこと
自己紹介:

真言宗豊山派のお坊さん

大和国は豊山長谷寺の門前町に生を受け、仏縁あって僧侶に。
伊賀国は江寄山常福寺の副住職になりました。

現在檀務と共に、ご詠歌、声明ライブ、豊山仏青、歩き遍路など、色々活動しております。
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