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三重県伊賀市 本尊五大明王の祈願寺 
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今年の干支は、丁酉(ひのととり)
酉とは、皆さまご存じ鳥のことです。

鳥はくちばしを持つ卵生の脊椎動物。体表が羽毛で覆われ、前足を飛翔するため翼へと進化させました。
大きな翼で風を切り、軽やかに空を舞うその姿は、古来より人類の希望であり憧れでありました。



酉といっても、一般的には鶏のことを指します。
十二支の動物は人の暮らしに関りの深いものが多く、鶏も類にもれず代表的な家禽として世界中で飼育されています。
安価で安心な栄養源として、玉子・鶏肉は私たちの食卓に欠かせないものになっています。

飛べなくなった鶏は、養鶏されて人々の暮らしの一部になりました。
朝一番に大声で鳴いては夜明けを告げる、そのユニークな生態は古くより人々に重宝され、愛され、多くの神話や物語に登場しました。

私たちに聞こえる「コケコッコー」も、世界中ではさまざまに聞こえることが不思議です。英語の「クックドゥードゥルドゥー」は有名ですが「東天紅」や「ココリコ」などが同義なのは知りませんでした。



さて、仏教の世界にも鳥は多数登場します。
有名なのは、孔雀明王でしょうか。その名の通り翅(はね)を広げた孔雀に座すその優美な姿は、忿怒相(ふんぬそう)が特徴である明王の中で唯一、慈悲を表した菩薩の姿で表現されます。

孔雀は、毒虫やコブラなどの毒蛇を食べても平気なことから「人々の災厄や苦難を取り除く功徳を持つ」と信仰の対象となりました。仏教では、煩悩の根源である三毒(貪り・瞋り・痴行)を慎み、それから離れ滅することの大切さを説きます。

優雅に翅を広げる孔雀同様、金色に輝く孔雀明王の麗しい姿も古来より多くの信仰を集めて参りました。


(常福寺 本尊五大明王の中央 不動明王)

酉年の守り本尊である不動明王も紹介させてください。
人々の暮らしを守り、憤怒の姿で正道に導く不動明王は、やはり多くの信仰を集める仏さまです。右手に剣を左手に索を持つ姿は、あまりにも有名。

では、その身に纏う火炎の中に鳥がいることはご存じでしょうか?

不動明王の火炎は迦楼羅焔(かるらえん)と呼ばれ、その炎には迦楼羅(かるら)という火の鳥が含まれています。

口から金の炎を吐き、龍を常食する。炎の翼を広げると336万里に達するという巨鳥、インド神話に登場するガルーダが仏教に取り入れられたもので、仏法の守護神として天龍八部衆にも数えられています。

意外かもしれませんが、お不動さまにもその炎は熱いのです。
火生三昧(かしょうざんまい)といって我が身を焼き焦がしながら、あえて炎の中に座しておられる。何故なら、その炎が人々にとって有益だから。煩悩を焼き盡し、人々の暮らしを守ることに役立つから。

危険な火災現場で働く消防士、福島第一原発で収束作業に励む作業員の姿は、まさに現世の不動明王。人々の暮らしを守る献身的な働きに、心から敬意を表します。


(極楽を舞うという共命鳥。浄土系の寺院にその姿をよく見ます)

他にも極楽に住まう大層美しい声で鳴く半人半鳥の迦陵頻伽(かりょうびんが)や、体が一つで頭が二つある共命鳥(ぐみちょう)など仏教には鳥が沢山登場します。探してみるのも楽しそうですね。

酉年に当り、鶏のように一年の計を大声で宣言してみませんか。目的を忘れず精進すれば、きっと輝かく朝日のような結果を得ることでしょう。

※ 常福寺 正月寺報より転載

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プロフィール
HN:
和光さん
性別:
男性
職業:
副住職
趣味:
読書、息子と遊ぶこと
自己紹介:

真言宗豊山派のお坊さん

大和国は豊山長谷寺の門前町に生を受け、仏縁あって僧侶に。
伊賀国は江寄山常福寺の副住職になりました。

現在檀務と共に、ご詠歌、声明ライブ、豊山仏青、歩き遍路など、色々活動しております。
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