三重県伊賀市 本尊五大明王の祈願寺
日々ご健勝の中に新しい年を迎えられましたこと、心よりお喜び申し上げます。
一年の計は元旦にあり。
一日の計は目覚めにありと申し、一日の活動の心構えを、
佛は忍辱の鎧、精進の甲をもって、持戒の馬に乗り、定の弓、恵の箭をもって、外には魔王の軍を摧き、内には煩悩の賊を滅す。故に佛と称するなり(大日経開題)
と説かれています。
(京都 東寺の胎蔵界曼荼羅。大日経の教えを図像化したものです)
「朝に礼拝 夕べに感謝」のスローガンこそ家庭を明るくする第一歩だと思います。
六度とは六波羅密をいい、六つのよい行いをすることによって圓満な人格をつくり明るい家庭を建設するということであります。
毎日お仏壇にお供えする六種の供具が、実はこの六度の教えを表わしています。六波羅密とは、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智恵の六つのことで、この六つを修めると、迷いの此の岸から、悟りの彼の岸と渡ることができるので六度ともいいます。
①お水をお供えすることが第一の「布施」を意味しております。水は方円の器に随い、丸い容器でも、四角い入れ物でも、そのまま入ります。これは平等の意味をもっており、仏教でいう慈悲心。即ち、親切心奉仕の精神は、なんらの報いを求めない真実至誠の発露から生ずる佛の心であり、奉仕させて頂く、この清らかなる心を意味しております。
お水をお供える度に、この精神を養ってほしいものです。
②仏様に参拝する前に口をすすぎ、手を洗い、香を手に塗ったりして参拝します。心身を浄めることは戒をまもる意味で、これは「持戒」を表わしています。
仏様に身心共に浄めて参拝する気持ちで、世に処して行くことが大切であり、法律を守り規則に従うことがこの意味であります。
③お花を捧げることは「忍辱」を意味しています。綺麗なお花を見て怒る人はありません。花を見れば荒んだ心も和らぐでしょう。花が人に微笑みを投げかけているように忍耐の徳を積みたいものであります。
④お線香を捧げます。お線香は休むことなく最後まで燃え続けるので「精進」を表わしています。途中でへこたれることなく弛みない努力心を、このお線香の煙を眺めながら養って頂くことを教えています。
⑤ご飯をお供えすることは「禅定」を意味しています。衣食足って礼節を知ると申し、お腹がすいていては心の落ち着きがありません。満腹の時は心も落ち着きます。心の落ち着きがないと諸事不安定となります。
仏様にご飯を捧げる時にはこの意味を噛みしめて、心の落ち着きが大切と、自分の心に言い聞かせて頂きたいと思います。
⑥お灯明を捧げることは「智恵」を意味しています。
お灯明をあげると、この光に照らされて明るくなります。光が万辺なく行き渡るように明るい心で暮らしたいものです。お灯明を捧げる度に、この明るい気持ちで今日も暮らしましょうと、ご先祖様にお誓いし、この気持ちが家庭を明るくすることと思われます。
六度の行の中で、布施と持戒は修行の根本であり、忍辱と精進は外部から加えられるいろいろの災難を防ぐ。禅定と智恵は恐怖から逃れる武器となります。
お仏壇のご先祖の前に座るときには、この六度の行をしているのだ、という気持ちで六種のお供えをし、明るい家庭を、よりよい人格形成に努めたいものです。
新年を迎え、平穏なひときわいい年でありますよう精進致しましょう。
常福寺住職 織田杲深 執筆
※ 常福寺 正月寺報より転載
(京都 東寺の胎蔵界曼荼羅。大日経の教えを図像化したものです)
「朝に礼拝 夕べに感謝」のスローガンこそ家庭を明るくする第一歩だと思います。
六度とは六波羅密をいい、六つのよい行いをすることによって圓満な人格をつくり明るい家庭を建設するということであります。
毎日お仏壇にお供えする六種の供具が、実はこの六度の教えを表わしています。六波羅密とは、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智恵の六つのことで、この六つを修めると、迷いの此の岸から、悟りの彼の岸と渡ることができるので六度ともいいます。
①お水をお供えすることが第一の「布施」を意味しております。水は方円の器に随い、丸い容器でも、四角い入れ物でも、そのまま入ります。これは平等の意味をもっており、仏教でいう慈悲心。即ち、親切心奉仕の精神は、なんらの報いを求めない真実至誠の発露から生ずる佛の心であり、奉仕させて頂く、この清らかなる心を意味しております。
お水をお供える度に、この精神を養ってほしいものです。
②仏様に参拝する前に口をすすぎ、手を洗い、香を手に塗ったりして参拝します。心身を浄めることは戒をまもる意味で、これは「持戒」を表わしています。
仏様に身心共に浄めて参拝する気持ちで、世に処して行くことが大切であり、法律を守り規則に従うことがこの意味であります。
③お花を捧げることは「忍辱」を意味しています。綺麗なお花を見て怒る人はありません。花を見れば荒んだ心も和らぐでしょう。花が人に微笑みを投げかけているように忍耐の徳を積みたいものであります。
④お線香を捧げます。お線香は休むことなく最後まで燃え続けるので「精進」を表わしています。途中でへこたれることなく弛みない努力心を、このお線香の煙を眺めながら養って頂くことを教えています。
⑤ご飯をお供えすることは「禅定」を意味しています。衣食足って礼節を知ると申し、お腹がすいていては心の落ち着きがありません。満腹の時は心も落ち着きます。心の落ち着きがないと諸事不安定となります。
仏様にご飯を捧げる時にはこの意味を噛みしめて、心の落ち着きが大切と、自分の心に言い聞かせて頂きたいと思います。
⑥お灯明を捧げることは「智恵」を意味しています。
お灯明をあげると、この光に照らされて明るくなります。光が万辺なく行き渡るように明るい心で暮らしたいものです。お灯明を捧げる度に、この明るい気持ちで今日も暮らしましょうと、ご先祖様にお誓いし、この気持ちが家庭を明るくすることと思われます。
六度の行の中で、布施と持戒は修行の根本であり、忍辱と精進は外部から加えられるいろいろの災難を防ぐ。禅定と智恵は恐怖から逃れる武器となります。
お仏壇のご先祖の前に座るときには、この六度の行をしているのだ、という気持ちで六種のお供えをし、明るい家庭を、よりよい人格形成に努めたいものです。
新年を迎え、平穏なひときわいい年でありますよう精進致しましょう。
常福寺住職 織田杲深 執筆
※ 常福寺 正月寺報より転載
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HN:
和光さん
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性別:
男性
職業:
副住職
趣味:
読書、息子と遊ぶこと
自己紹介:
真言宗豊山派のお坊さん
大和国は豊山長谷寺の門前町に生を受け、仏縁あって僧侶に。
伊賀国は江寄山常福寺の副住職になりました。
現在檀務と共に、ご詠歌、声明ライブ、豊山仏青、歩き遍路など、色々活動しております。
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